今回は楽器では無く、楽譜の弱点。
琴(箏)の楽譜の一番ポピュラーなスタイルは、四角い枠の中に「マス」がいくつもあり、
その中に数字が書かれているもの。数字は琴の弦を順番に表しているのですが、これが
なかなか厄介なようです。
楽譜を見て音やメロディーなどイメージしなくても、その番号の弦を探して琴爪を順番に
当てるだけで曲が弾けてしまう。
さらに言うならば人によっては耳栓をしても弾けそうであります。
頭の中は数字でいっぱい、メロディーはどこへ行ったのか・・・?
楽譜の中の「マス」もまたまた厄介。
例えば「4分の~」の曲の場合は、1つの「マス」に数字が1つで4分音符。
この1つの「マス」の中央に短い線があり、その線の上下それぞれのスペースに数字が
1つづつあれば8分音符、2つあれば16分音符。
二分音符などは数字の次の「マス」に○がくる。△も付点がつく場合や、8分休符として
登場。
洋楽の音符はその一つ一つから音の長さが読み取れますが、琴の場合は、「マス」にいくつ
数字が入っているかで音の長さを読み取らなければなりません。
これによって何が起こるのか?
4分音符を弾くのをなんとなく基準にし、八分音符が並んだら速く手を動かす。
16分音符が出てきたらあせったように速く手を動かしてしまう。
また二分音符の○が出てきたり、△が出てきたらそこだけ「ン」と休む。
いったい音の長さはどこへ・・・
もともと地歌は、4分の4の音楽ではありません。見やすいように4分の4の楽譜で書かれて
いるだけで、本来は節の音楽です。
楽譜の無い時代、師匠は弟子に節を「チツコロリン」などと歌って教えていました。
ここにヒントがあるように思います。
楽譜を見たらまずその節を歌う練習をしてみる。歌いながら弾いてみる。
「チツコロリン」などとは歌えなくても、「アー」でも「ラー」でもいい。
できれば数字は歌わないほうが良いでしょう。
元来地歌は演奏者の声の音域などにより、調弦の高さを変えられる自由さがある。
私も男なので一音下げて歌ったりする。
しかし琴の楽譜は調弦の高さが変わっても、表記は同じ。
この点から今の楽譜スタイルはとても琴(箏)に合っていると思います。
良いも悪いも、ようはその使い方次第ではないでしょうか。




